どうもお久しぶです。週末冒険日記のがっきーです。かなり更新が止まってしまってましたが、またぼちぼちブログも更新していこうと思ってます。
さて、最近、週末冒険日記もかなりディープなラインを攻めるようになってきて、危ないことも多くなるんじゃないかなーと思って…そこで、雪崩や積雪の知見を増やすべく、今回は日本雪崩ネットワーク(JAN)のアドバンス・セイフティキャンプ(ASC)に参加してましたので、その内容をかんたんに紹介したいと思います。
- JANのベーシックセーフティキャンプを経験した方
- JANのアドバンスドセーフティキャンプを検討中の方
- 雪崩講習会の流れを知りたい方
日本雪崩ネットワーク(JAN)とは
雪崩ネットワーク公式のページに下記のように書いてあります。
日本雪崩ネットワーク(JAN:Japan Avalanche Network)は、冬季アウトドア活動の雪崩安全に係わる非営利の専門団体です。雪崩教育・雪崩情報・事故調査・リソースの提供を4つの柱に活動しています。会員は、山岳ガイドやスキーパトロール、救助隊員など現場プロや雪崩研究者あるいは訓練を受けた一般山岳利用者など幅広い人材で構成されています。
要するに、バックカントリーや山スキー冬山登山を楽しむ人のために、雪崩や降雪、積雪情報の発信と、雪崩に巻き込まれないための教育をしている団体です。
ツイッターやホームページで冬の間は随時更新してくれてます。
様々な講習・セミナーを主催
日本雪崩ネットワーク(JAN)は教育の一環で、様々なセミナーや講習会を主催してくれています。
アバランチナイト
雪崩安全対策の基本と最近の事故概況についてお話をする安全セミナー
ミニ・アバランチナイト(miniAN)
アバランチナイトの姉妹版でショップやメーカーなどの協力を得て、各地で開催されています。
ベーシック・セイフティキャンプ(BSC)
雪崩安全対策に係る雪上での基礎講習会です。2日間の日程で、座学とフィールド実習がバランス良く構成されており、講習効果を上げるため、事前のe-learningもプログラムとして組み込まれています。
アドバンス・セイフティキャンプ(ASC)
フィールド経験が豊富な方を対象にした3日間の上級講習会です。より実践的な地形理解やグループマネジメント、そして雪崩ハザードの評価プロセスを学びます。
そこで私はアドバンス・セイフティキャンプ(ASC)に参加することにしました(BSCは過去に受講済み)
アドバンス・セイフティキャンプ(ASC)
3日間ともフィールドツアーで実施されます。積雪の空間的多様性の厄介さを知り、より一層、地形に注意を払った行動マネジメントが重要であることを理解できるとのこと。プロコースである雪崩業務従事者レベル1の取得を目指す方やグループリーダーにお勧めしたい内容。
講習の目標
- 雪崩地形で安全なルートを選択できること
- 雪崩地形でのグループマネジメントの方法を理解すること
- 積雪の不安定性を把握する際の原則を理解しており、説明できること
- 雪崩ハザード評価の概念と評価プロセスを理解すること
など、詳しくはこちらをご覧ください。
https://snow.nadare.jp/seminars-training/advance_safetycamp/index.html
講習の流れ
1日目午前:座学でのBSCの復習と現場への移動
午前中はベーシックセーフティキャンプなどの復習や積雪・降雪を考える上での大切な要素について、格子の方とQ&Aをやりながら学んでいきます。前日の天気や、その日の朝のコンディション、その他JANのサイトの情報など多角的に情報を集めて、判断できる材料を見定めていきます。
雪崩に関係する気象データは、気温、風、日射量、降雪量が重要とのこと。
1日目午後:積雪観察の為山に入る
午後は積雪観察のため、栂池の山岳エリアに入ります。ここではまず講師の方がピットチェックのデモンストレーションを行います。
栂池のベースでも気温を計測します。日射の影響が非常に強くでるので、日陰を作りそこで気温を計策します。
参加者さんの中にはパトロールでの現場経験が豊富な方もいて、ノートにマジックテープで方位磁石をつけたり、鉛筆を入れておくためのケースを自作していました。防水テープでノートの表紙に貼り付けています。
現地に到着したら、早速雪を掘って計測できる積雪観測場をつくります。
道具も日射の影響で温度が上がり、雪の結晶の観察ができなくなるので、こうやって棚を設置して、そこで冷やしてから使います。
ペンやスケールを使って上から下に雪を切って行きます。ここで詰まった感覚になることで、積雪の異質な層ができている事がわかります。
その後、雪の強度を図るため、雪に圧力をかけます。
まずは拳で押す、これで入れば密度が低く、強度が低い雪とわかります。
つぎに4フィンガー。四本指指での強度チェック
次に一本指でのチェック、
その後ペンを刺してのチェックをして、雪の強度を計測します。
雪の温度も計測していきますが、ここでも日射の影響を防ぐため、影を作ります。
雪の結晶や強度を専門のノートブックに記録していきます。
10cmごとの雪温の温度勾配をしたあと、コンプレッションテストへ続きます。
スノーソーで奥行きと横幅30cmのブロックを作っていきます。
ここは30cmをきっちりと測ることが重要です。
表層の結合の不安定性を観察するため、バープテストを行ったあと、コンプレッションテストをします。
最初は手首だけ(Light)で10回、次に肘から先を動かして10回(Moderate)、最後は腕全体を使って(Hard)叩くことで強度のチェックをします。
コンプレッションテストだけでは伝播性はわからない
コンプレッションテストだけでは伝播性ははかれません。Moderate であれhardであれ、一発目の衝撃で積雪の結合部がどういう変化をするかをしっかり見ることが大切とのことです。一発目で結合部がするっと出てくる、ズレるなどの変化が出たときは、人的要因で雪崩が発生しうる可能性が高い状態なので、要注意の合図です。
2日目と3日目:1日目の復習
2日目と3日目は基本的に1日目の復習です。
ツアーで歩きながら、ストックで脇の雪をつついたり、斜面方位を変えてあるいて、柔らかいところを探したり、様々な情報をあつめることを心がけようとレクチャーしてもらい、て登っていきます。
そして1日目と同じように斜面方位を意識しながらブロックを作り、観察を行います。